わたしの名前は未宇(みう)。
タンタンと日課のダンスをして、職場の市役所へ向かう。
しずかな公園で、ちくわの入ったお弁当を食べるのが好き。
にくみ合うのとかはイヤだけど、やがて街に吹き荒れる不穏な風。
ンんん――?
じいちゃん、家族の秘密って?
やってみるよ、それが愛する人のためになるのなら。
Introduction
「まだ、ひとつだけ、できることがある」
2020年、コロナ禍で全国のミニシアターが苦境に立たされた。
映画の撮影現場もストップし、多くのスタッフや俳優が路頭に迷った。
そんななか、ひとりの映画監督が立ちあがった。
「だったら、自主映画をやればいい。完成させて全国のミニシアターを回ろう」
今もっともアツい映画監督、入江悠。
『22年目の告白~私が殺人犯です~』『AI崩壊』など最近はメジャー映画で知られる。
立ちあげたのが、『SRサイタマノラッパー』シリーズ以来10年ぶりとなる
自主映画、『シュシュシュの娘』。
入江は3つの夢を掲げた。
・仕事を失ったスタッフ、俳優と、商業映画では製作しえない映画を作ること。
・未来を担う若い学生達と、あらたな日本映画の作り方を模索すること。
・苦境にある全国各地のミニシアターで公開すること。
本作は監督みずから出資し、その夢に賛同したクラウドファンディングの支援金のみで製作。
スタッフ・キャストも、監督自身がSNSで募集した。
2500名を超える応募のなかから、3次選考までを経て、
福田沙紀、吉岡睦雄、根矢涼香ら出演キャストが選ばれた。
スタッフには、NYで活動していたがコロナ禍で帰国できなくなった石垣求(撮影)や仕事を失った者たち、
大学が休校になり行き場を失った大学生らがつどった。
「今年作られる映画・ドラマの中でもっとも食事が充実した撮影にしよう。
食事と休息をしっかりとって、コロナに負けない現場へ」
入江のかけ声のもと、『シュシュシュの娘』は「CMの撮影よりも食事が豪華」(撮影助手)
という近年では珍しい自主映画の現場になった。
未曾有のウイルスと自粛の風潮のなか、まったく新しい映画がいま誕生。
世の中は息苦しく、もやもやした空気が立ちこめている。
本作の主人公・鴉丸未宇(からすま・みう)もそんな街に生きている。
移民排斥、改ざん、不寛容。
日本のメジャー映画はこれらの問題から目を背けて久しい。
でも、まだやれることがある――
2020年の夏に集結した映画人と学生たちの思いをのせて、いま『シュシュシュの娘』が世に放たれる。
華麗に軽やかに、蝶のように舞い、蜂のように刺すよ。
さあ、全国のミニシアターへ。
Director
入江 悠
製作・脚本・監督・編集
1979年、神奈川県生まれ、埼玉県育ち。
03年、日本大学芸術学部映画学科監督コース卒業。
09年、自主制作による「SR サイタマノラッパー」が大きな話題を呼び、ゆうばり国際ファンタスティック映画オフシアター・コンペティション部門グランプリ、第50回映画監督協会新人賞など多数受賞。
その後、同シリーズ「SR サイタマノラッパー2 女子ラッパー☆傷だらけのライム」(10)「SRサイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者」(12)を制作。「劇場版 神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴り止まないっ」(11)で高崎映画祭新進監督賞。その他に「日々ロック」(14)、「ジョーカー・ゲーム」(15)、「太陽」(16)、「22年目の告白」(17)、「ビジランテ」(17)、「ギャングース」(18)、「AI崩壊」(20)、「聖地X」(21)など。ドラマ演出はWOWOW時代劇「ふたがしら」(15)、「クローバー」(11)、「みんな!エスパーだよ!」(13)、「ネメシス」(21)等。
News
追加上映館情報
元町映画館 8月11日(水)プレミアム試写会参加決定!
◆ シネマ・トーラス
8月28日(土) ~ 9月10日(金)
◆ THEATER ENYA
9月10日(金) ~ 9月16日(木)
メイキング特報公開
撮影風景が垣間見れる「メイキング特報」が公開されました。
Voice 公開
『シュシュシュの娘』に参加したインターンスタッフたちの声が届きました。
全国一斉プレミアム試写会
8月11日 19:00〜《全国一斉プレミアム試写会》を開催致します。同日、同時刻から上映を開始し、上映後は 各劇場をリモートで繋ぎ、入江悠監督、他によるトークを行います。
また、この試写会での入場料の全ては、各劇場に寄付をさせて頂きます。
【開催劇場一覧】
ユーロスペース、瓜連あまや座、深谷シネマ、シネマ・ジャック&ベティ、長野千石劇場、上田映劇、ほとり座、シネマ スコーレ、出町座、京都みなみ会館、第七藝術劇場、
シネ・ヌーヴォ、豊岡劇場、元町映画館、シネマ尾道、横川シネマ、
シネマルナティック、別府ブルーバード、シネマ5、シアター・シエマ、
THEATER ENYA 、Denkikan、宮崎キネマ館、ガーデンズシネマ
(7/27 現在)
公式ホームページ開設
6月22日(火)「シュシュシュの娘」公式ホームページを開設いたしました。
Trailer
◆ 本 予 告 ◆
◆ プレミアム試写会 スペシャル特報 ◆
◆ メイキング特報 ◆
◆ 全国ミニシアターからのメッセージ ◆
【CAUTION!!】
主人公・未宇のアッと驚く正体については、初見の観客の方々の楽しみのため、
SNS等で明かさないようお願い申し上げます。
Story
「わたしって、そうだったの?」
福谷市のはずれで暮らす鴉丸未宇(からすま・みう/福田沙紀)、25才。
朝の日課のダンスと、ちくわをつめたお昼の弁当が大好物。
ひとり身で祖父・吾郎(宇野祥平)の介護をしている。
市役所に勤めているが孤立している。
ただひとり寄り添ってくれるのは、同じ役所につとめる先輩の間野幸次(井浦新)だけ。
そんなある日、間野が市役所の屋上から自殺した。
理不尽な「文書改ざん」を命じられた末の死だった。
悲嘆に暮れて帰宅した未宇に、吾郎は衝撃のミッションをつげる。
「仇をとるため、改ざん指示のデータを奪え」
愛する間野の仇をとるため、暗雲立ちこめる市政に一矢報いるため、未宇はひそかに立ち上がる。
武器は、「普段から目立たないこと」。
今までは、息をひそめて生きてきました。でも、今日からは。
だが、その前には思わぬ壁が次々と立ちはだかって――
Voice
『シュシュシュの娘』に参加したインターンスタッフたちの声です
稲田凌 / 演出部
あの、入江悠監督の自主映画に自分が参加できるとは…
これが自分がスタッフとして決まった際に思った率直な感想です。
それまでの自分は映画の世界で生きていきたいと考えていながらも、特にこれといったアクションを起こすことなく、大学生活を過ごしていました。そして、自分で勝手に映画業界は門戸が狭く、自分のようなスキルも経験もない人間には縁がない世界なのだと決めつけいました。
そんなクヨクヨしていた自分と決別できたことや沢山の出会いと経験を得ることができたことは何よりの財産となりました。
撮影中は自分の不甲斐なさであったり、何も貢献していないのではないかという思いに苛まれ、気持ちよく眠りについた日は数えるほどしかありません。次の日を迎えるのが不安だった日もあります。
そんな自分が最終日まで完走できたのは暖かい俳優部・スタッフの皆さまに囲まれていたからに他ないのです。
私はシュシュシュの娘を経験したことにより、より映像業界で生きていくことの決意を固めることができました。これからも精進していきます!
冨髙善之 / 演出部
コロナ禍で鬱屈した日々を過ごしていたところ、入江悠監督が自主映画を撮ることを知りました。入江監督と同じ熊谷高校卒業をした私は、漠然と映画業界へ憧れを感じていました。自分でも映画を撮りたいと思い、大学とは別に専門学校へ入学しましたが、一度プロの現場を体験してみたいと思い応募しました。
撮影が始まる前から、小道具の準備やロケハンに同行するなど本作に携わらせていただきました。この経験は自分で自主映画を撮る時に大変役立ちました。ひとつひとつの小道具を妥協なく製作する監督の姿勢に刺激を受けて、映画を作る覚悟を側で感じることができました。
撮影期間中では、多くの人に助けてもらい、映画製作について学ぶことができたと思います。現場にはプロで活躍される方々が数多くいらっしゃいました。そんな方々とお話しする機会が多々あり、将来について悩んでた私にとって大きな糧となりました。入江監督には厳しくご指導いただきました。そのことがとても嬉しかったです。一人のスタッフとして現場に参加させていただき、映画製作についてだけではなく、社会に出る上で大切なことを学べたと思います。
撮影は終わりましたが、まだ私の仕事は残っていると思います。それは若い世代にこの作品を届けることです。”はじめてのミニシアター体験"、そのきっかけを作りたいです。この夏は、『シュシュシュの娘』でミニシアターを、映画業界を盛り上げるために尽力します!
平林侑大 / 演出部
こんにちは!
日本大学芸術学部3年 平林侑大です。
僕は入江監督と出身高校が同じで、地元も今回撮影した埼玉県深谷市に近かったので、
一年前の7月のティザー撮影の段階から同行させてもらいました。
入江監督の作品である『SR サイタマノラッパー』や『ビジランテ』の中でも、僕の知っている場所が撮影のロケ地になっていたので、今回も自分の知っている場所が映画という形になって、世に飛び出していくのかとワクワクしたと同時に、自分自身も映像作品を創り上げたいなと思ったことを覚えています。
そして撮影の本番、僕自身も大学でドラマ制作に関わっていたので、現場の雰囲気は知っているつもりだったのですが、プロの現場はやはり、学生の制作とは一線を画すものがありました。大学の授業の関係もあり、あまり撮影現場には参加できなかったのですが、とても貴重な経験をさせていただき感謝でいっぱいです。
僕は将来、映画だけではなく、ドラマ、MV、CMなど多岐に渡った映像作品に関わっていけるような人間になります。
現在もMV制作中で、反省ばかりですが、『シュシュシュの娘』と同じく、多くの人に届いたらいいなと思っています。
この先、いろいろな困難に直面すると思いますが、『シュシュシュの娘』に携われた経験を活かして何事もシュシュシュとこなせるように精進していきたいです!
飯山彩菜 / 演出部
2020年6月。留学がなくなり、オンライン授業を受けながら家にいる生活に飽きていた頃にスタッフ募集を見つけました。その頃は映画制作とは全く無縁の生活を送っていましたが、いつかは自分も俳優として活動したいから現場を少しでもみられたらいいなと思い、ボランティアスタッフに応募させていただきました。そんな私に映画制作の知識があるわけもなく、スタッフミーティングの際も皆さんの話について行くことができないような私にでさえ入江監督は優しく声をかけてくださり、私ができる仕事を一緒に探してくださいました。そうして私はクラウドファンディングで支援してくださった方への映像編集、本編の一部の映像編集を任せていただきました。また現場へも参加させていただく機会もあり、そこでは撮影に対する監督の熱い気持ちはもちろん、出演者の方々、ロケ先の地元の方々、プロ・学生スタッフへ常に尊敬の意を持って接している監督の姿がとても印象強く残っています。今では少しずつではありますが俳優として活動しているので、今回学生スタッフとして参加して感じたことを次は演じる側で活かして、また入江監督とご一緒できれるように精進したいと強く思います。
田中さくら / 演出部
サークル活動の中で制作した自主映画を入江監督に観ていただく機会があり、作品のこと、映画のこと、たくさんお話しさせていただきました。私が発する言葉を一つ一つ拾い上げてくださり、入江監督の映画や映画を作る人に対する愛をひしひしと感じました。そんな入江監督が自主映画を撮られると伺い、ぜひ参加させて欲しいと直談判したのでした。
コロナが猛威をふるい、映画館の人数制限に始まり、撮影でのシーン内容にまで影響が出るほどの状況にあった映画業界は、相当追い詰められていたことと思います。しかし、入江監督の「コロナ禍で苦境に陥ったミニシアターを救いたい」という一つの思いが自主映画という形になり、自分を含め、関わった多くの人たちの希望になったのではないかと、一ボランティアスタッフながら強く感じます。
この作品で映画の素晴らしさ、そして自分の映画への愛を再確認しました。
現在、大学の卒業制作である短編映画を制作しています。何度も映画に救われた者として、映画を愛する映画ファンとして、最高の作品を完成させたいと思います。
濱中春 / 美術部
就職活動をせずに過ごしていた大学4年の夏前に、今作のスタッフ募集を見て応募しました。
映画が大好きで、ずっと映画制作に携わりたいという思いがあったので、決まったときはとてもうれしかったです。
私は美術ボランティアスタッフとして参加し、小道具の制作に携わりました。
少しずつ形になっていく過程や作ったものが劇中で生きているのを間近で見ると、とてもわくわくしましたし、手を動かしてものを作るのは楽しいと久しぶりに思いました。
現場での日々は何もかもがはじめてで本当に刺激的だったので、今でもよく思い出します。
どのようなときでも、ものを作る柔軟な頭を忘れないでいたいです。
吉田紗羽果 / 美術部
日常生活から大学でのスケジュールがなくなり、自由気ままな娯楽生活を始めて3ヶ月、エネルギーを使いきれない毎日にどこか勿体無さを感じるようになりました。
「やらなきゃ」だと思っていたことも「やりたい」だったのだと痛感し、今の私にできることを探し始めました。
そこで出会ったのが入江監督と『シュシュシュの娘』でした。映画製作に携わること自体、初めてだったのですが、たくさんのサポートをいただきやりきることができました。
わたしは美術部として、小道具の他に劇中のグラフィックのデザインをさせていただきました。夜な夜な「なんかちがう…」と睨み合っていたMacの中のグラフィックが、映画館のスクリーンに映った時には何とも言えない感動と達成感がありました。一生忘れることのできない経験です。
また、製作を通して多くの素晴らしいプロの方、学生スタッフのみなさんと出会うことができました。みなさんの映画製作への熱い想いを間近で拝見することができ、大変幸せに思います。
『シュシュシュの娘』を経て成長できたこと、学んだことを今後のものづくりに生かしていきたいと強く思います。
ありがとうございました。
中村優里 / 制作部
2020年、大学一年生になり、オンライン授業とバイトだけで毎日を過ごしていました。
そんな時にSNSで入江監督のスタッフ募集のページを見つけ、すぐさま応募しました。
現場期間中にもオンラインの授業はありましたが、どうしても参加したかった私は、現場で授業を受けることにしました。
ロケバスの中や、現場近くの神社で授業を受け、終わった5分後には車止めをしているという、おそらく前例のないスタイルで参加しました。
また、学生とプロが混在する『シュシュシュの娘』ならではの現場で多くのことを学ぶ事ができました。
余裕あるスケジュールと技師の方々の優しさ、俳優の方々の優しさのおかげで、映画のこと、また映画以外のことも沢山のことを教えていただきました。
現場で身につけたことももちろんですが、現場以外で教わったことが、私にとってとてもとても大きな糧となりました。
私は、この『シュシュシュの娘』をきっかけに“映画業界に携わりたい”、“プロデューサーになりたい”という思いが確実なものになりました。
現場で見つけた自分の弱点を直しつつ、さらに多くのことを学び、将来に向けて努力していきたいと思います。
濱野友香 / 制作部
コロナ禍で大学にも行けず、お先真っ暗の状況の中、「シュシュシュの娘」に出会いました。 Twitter で流れてきたボランティアスタッフ募集のツイートを見た瞬間、これを逃したらダメだ、という直感が働き、8割勢いで応募させていただき参加に至りました。
短い期間ではありましたが、沢山の人との出会いを通じ、改めて映像制作の魅力に気付くこ とができました。 また、自分が今後どうしていきたいか、将来のビジョンも明確になった気がします。
コロナによる影響は大きく、人生を大きく狂わせてきました。 悪い事が大半でしたが、「シュシュシュの娘」に出会えたのはコロナのおかげです。 この先の人生、どんな事が起こるのかわからないからこそ、どんどん色々なことにチャレンジしていこうと思います。
佐藤京 / 制作部
大学を卒業し役者としての活動を始めたのが緊急事態宣言の直前。夢も生活も先が真っ暗になっていき、人との関わりも遮断された昨春。
そんな中でシュシュシュのオーディションを知り応募しました。
“2020年の現場の中で1番ご飯が充実している現場にしたい”
入江さんのこの言葉を見て出演以外に私にできることはないかと連絡したのがスタッフとして現場に入ったきっかけです。
制作部として食事周りを担当し、多くの方の協力のお陰で思いがこもったご飯を皆で食べることができました。
確かに大変なこともあったけど、毎日帰りの制ハイの中が楽しかった。
夏日に始まった撮影の、いつのまにか秋めいていく空気にどきどきしていた。
これほどの短期間で人の縁を温かく思ったことは他にないかもしれません。
出演兼スタッフという突飛な形での参加でしたが、どちらとも本当に大きなものを得られました。
時間にすれば一瞬ですが、この感覚と出会えるなんて役者とはなんて楽しいのかと思えた瞬間がありました。あの心が震えたぞわぞわにまた出会う為に、そして出会った皆とお仕事できるようになる為にまた頑張るんです。
シュシュシュでもらったその気持ちが私の今の糧です。
これは今だから出来た事。この作品が皆さんに届くのを心待ちにしています。
End credit
Theater